2014年のゲームを振り返る:『トットと魔法のスープ』

投稿者:Material 204926 1 mini 井戸乃博士 投稿日:2015/01/11 00:01 【レビュー】

皆様こんばんは。
井戸の博士の助手、ラヴィアンです。
2014年のゲームを振り返る、と題して
印象深いRmake作品をレビューしています。
今回、紹介させていただくゲームはこちらです♪




alnyanさんの作品、『トットと魔法のスープ』です。
2014年10月10日に公表されました。


これは、2014年のRmakeを語る上で無視できない作品だな。
全体として非常に作り込まれていて完成度が高い。
かわいらしくて魅力のあるキャラクター、
そしてほのぼのとした心温まるストーリー・・・


いらっしゃったんですか、博士・・・
その先は結構です。
あとは私のほうから説明させていただきますから、
博士はくれぐれも余計な口をはさまないでください。


・・・はい?
な、なにを言うんだ。
わしがこの作品の魅力についてじっくりとだね・・・


自分の立場をわきまえてください。
偏屈者でテンションが低くていつもネガティブな博士が
「かわいらしい」とか「心温まる」とかおっしゃっても、
全く説得力がありませんよ。
むしろ作者の方に失礼です。
とにかく邪魔をしないようにお願いします・・・よろしいですね?


し、失礼だなんてそこまで言うか・・・!
それではわしの存在意義が・・・
み、見捨てないでくれ、ラヴィ君・・・
わしにチャンスを・・・




《『トットと魔法のスープ』の世界》

皆様、失礼いたしました。
気を取り直して、この作品の世界観について簡単に
説明させていただきます♪



主人公は、「トット」という名前の猫さんです。
「ニャークル」という村で暮らしています。
村に引っ越してきてから、まだそれほど長く経っていないみたいですね。



こちらがニャークルの村の様子です。
木で作ったかわいらしい家が並んでいます。
まるで絵本の世界みたいですね♪
この後トットはある事件に巻き込まれて、
村を出て旅をすることになります。



この作品の世界では猫さん達の他にも、
犬さんやトカゲさんといった動物達が共存しながら暮らしています。
フィールドもキャラクターもすべてalnyanさんの自作です。
alnyanさんの自然豊かでのどかな世界観と、
のんびりして個性的なキャラクターは、とても心が和みます。
ずっとここに住みたくなってしまうかもしれません♪



冒険に立ちふさがるモンスターも、もちろん自作です。
こちらもどこか憎めない、かわいらしいキャラクターばかりです。
魔法や道具を駆使して戦いましょう。




こうしたalnyanさんの優しい魅力にあふれた世界観のおかげで、
プレイしていてとても心地良いゲームになっています。
そしてスープに始まりスープに終わる物語は、
世界観と同じように優しく心温まるもので、
皆様を幸せな気持ちにすることでしょう。
最後までぜひプレイしていただきたい作品です。



ラヴィ君・・・あの・・・
このみすぼらしい年寄りにも、
ゲーム作りの面からつまらぬ意見をちょっとばかし
申し上げさせていただいてもよろしいでしょうか・・・


そこまで卑屈にならなくてもいいじゃありませんか・・・
ゲーム作りの面からのご意見でしたら構いませんよ。
博士、お願いします。


この作品がすごいと思うのは、
基本的にはRmakeの2DRPGの仕様に従っているというところだね。
遊んでいただければわかるけど、
戦闘やアイテムの使い方はRmakeの基本設定を使っているのだよ。



それでも、この作品はRmakeで作った他の2DRPGとは雰囲気がまるで違う!
「市販のゲームみたい」とよく言われるように、
Rmakeで作ったゲームとは思えないくらいクオリティが高い。
この魅力は、alnyan様がご自分のキャラクターや世界観を使って作り上げたものだ。
つまりセンスで勝負しておられるのだよ・・・このすごさがわかるかね?
・・・技術のあるクリエイターは例えば、ノベルゲームのスクリプトを使って、
基本的なフォーマットとは全然違うゲームを作ってしまったりするけど、
こうして基本的な設定は変えずに、自分のセンスで勝負して
優れた作品を作れる方もわしは深く尊敬するね・・・


博士は、alnyanさんの独自のキャラクターや世界観が
この作品の最大の魅力とお考えなのですね。
でも博士、他にも魅力はたくさんあると思いますよ。
例えば、この作品には「遊べる」要素が数多く盛り込まれています。
それを次に紹介いたしましょう♪



《スープ作り》


本作で何よりも欠かせないのが、スープを作ることです。
まずはスープのレシピを探しましょう。
レシピを見つけたら、材料を集めて
魔法のお鍋で調合すればスープの完成です。


調合はロマンだよね!
錬金術を思い出す・・・
スープは優秀な回復アイテムだから、
どんどん作ることをお勧めするよ!



《材料集め》


スープの材料には薬草、野菜、果物、魚、調味料・・・
などいろいろな種類があります。
木に生えていたり、お店で買ったり、敵が落としたり、
入手方法もいろいろです。
例えば、川で材料になるものが釣れることもあります。
新しい道具を手に入れたり、行動範囲が広がったりした場合は
あちこち調べてみましょう。


釣りに関してはときどき、
とんでもないものが釣れることもありますぞ。
あらかじめセーブをお忘れなく。


《ポリポリ》


ポリポリは背中に宝石のように綺麗なトゲを付けた、
ハリネズミみたいな動物です。
カラフルで可愛らしく、飼ってみたいと評判です。
冒険をしていてポリポリを見つけたら、
ある場所に持っていくと、いいことがあるかもしれません。


材料集めもそうだけど、
このゲームは探索要素が多いから飽きずに楽しめるね。
こういうちょっとした探索要素は他のゲームで言うと、
GB版ゼルダの伝説なんかが近いかもしれん。



《自作の意味》



さて、ラヴィ君。
わしはこの作品について、ぜひ言っておきたいことがある。
それは、この作品は使用している素材のほとんどが自作であるということだ。
これは作品のクオリティの高さや作業の手間を考えると、素晴らしいことだと思う。
わしもゲームを作る者として、非常に励みになった・・・


どういうことでしょう?
博士は関係ないと思いますが・・・
勝手に便乗するのはやめてください・・・


いやいや、そうじゃなくてね!
わしもよく「なんでも自作病」にかかるからわかるけど、
自分で一から素材を作るのって本当に大変なんだよ!
構想を練らなくちゃならないし、絵を描くのに時間もかかるし、
ネタが尽きて何もできなくなったり、
こだわりすぎて自分の首を絞めたり・・・
自分が苦労に見合うものを作っているのか自身が持てなくなることもある!


博士は極端な気がしますが・・・
でも確かに、自分のイメージどおりのゲームを作ろうとすると、
どうしても自分で作らなければならない部分が増えますね。
クオリティを高くしようと思うと、さらに時間がかかりますし・・・
そのバランスも難しいですね。


ブログを読んだところによると、
こちらの作品も制作には相当な時間がかかったそうだ。
だが、この作品の完成度は時間に見合う以上のものだと思う。
alnyanさんは自分の表現したいことを大事にして、
自作にこだわった結果、これほど素晴らしい作品を作られたのだ。
こだわりを通して時間をかけたり、努力したりしたことが実を結んで、
ちゃんとゲームの魅力として形になって表れている。
わしも自作にこだわってゲーム制作に行き詰ることもあるが、
自作に費やした時間や努力は決して無駄ではない。
それだけ良いものが作れるのだと、
この作品に触れて実感することができた・・・
alnyanさんに感謝したいと思う。




それでは、博士、
まとめをお願いします。


市販のゲームにも匹敵するクオリティの高さ。
探索要素など楽しめる豊富な要素。
広く受け入れられる親しみのあるキャラクターと世界観。
Rmakeの作品で言うと「悪夢の町ポートレム」や「時流聖伝」と
並ぶ名作だとわしは思っておる。

キャラクターやシナリオの魅力や、
世界観の雰囲気の良さなど、
ゲームを通り越して一つの作品として素晴らしい。
こういう作品は、作者の方のセンスがないと作れないと思う。
そういえば「ポートレム」にもそういうところがあるな・・・

だからもっと評価されるべきゲームだと思っておるよ。
多くの人に遊んでもらいたいね。


そうですね。それだけの力を持った作品だと思います。
それでは、今回のレビューはここまでとさせていただきます。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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コメント一覧

Totto ira mini alnyan(投稿日:2015/01/11 13:06, 履歴)
わーー!かの有名なidohakaさんにレビューを書いて頂けるなんて!
博士とラヴィアンさんの掛け合いがかわいくって
にやにやしながら読んじゃいました(^▽^*)
わたしがこだわりたかったところを全て見抜いてくださったうえ、
同じ作り手側としての目線としてとても説得力のあるレビューで、
これからの制作の自信に繋がりました。
この記事だけでゲームの魅力が全て伝えられそうです!

ポートレムと時流聖伝はわたしも特にお気に入りで
何時間も遊んだゲームなので、
並べて書いて頂けるなんて光栄すぎます(;v;)

素敵なレビュー、どうもありがとうございました!
Material 204926 1 mini 井戸乃博士(投稿日:2015/01/12 01:34, 履歴)
『トットと魔法のスープ』はプレイしてすぐに、
クオリティの高さや他のゲームと違った雰囲気がわかるゲームでした。
のどかな雰囲気がすっかり気に入って、
時間を忘れてプレイさせていただきました♪
語りだすときりがないくらい魅力にあふれた作品だと思います。
この魅力をたくさんの人に伝えられれば幸いです。
コメントどうもありがとうございました♪
Cdv30200 aoi icon mini aoihikawa(投稿日:2015/01/11 01:13, 履歴)
本文中でも書かれているとおり、
オリジナルの素材、
世界観の演出もさることながら、

ウインドウの位置とか
挿絵の表示方法とか、
細部の調整の突き詰めによって
全体の完成度の高さへと
繋がっている作品ですね

この作品は
私も、お気に入りの作品のひとつです
Material 204926 1 mini 井戸乃博士(投稿日:2015/01/12 01:00, 履歴)
貴重なご意見ありがとうございます。
なるほど、演出や表示方法も自然な表現になるように
細やかな調整が行われているのですね。
おそらく作り手の方の、このように表現したいというイメージが
ちゃんと確立されているのではないかと思います。
そこを妥協しない姿勢が大事かもしれませんね。